古神道
禊之宮の唱える神道は、いわゆる親ゆずりそのままのものであります。「古神道」といっても少しも外国の思想や信仰が混じっていない生粋の日本神道を申すのであります。
神道も文化の進展に伴って、いろいろな異国の思想や信仰が採り入れられ、それぞれの時代にさまざまな解訳をなされていますから、日本精神の本質などはそう簡単には掴めません、諸外国の文化を採用して発達した各種の神道を悪いなどというのではありません。
それなどのすべては他国の理想や信仰を採り入れて、素朴な、理屈抜きの古神道を、論理の上で説明し解釈したものであって、日本精神をより強靭に育てた肥料になったものでありますから、悪いどころか、その不撓の努力と功績には深く感謝せねばなりません。
しかしながら、古神道の「本然のすがた」に対する自覚がなくて、他国の思想や信仰が悉く親ゆずりの日本精神であるかのように倒錯してしまってはなりません。